からだもハレ着に着替えよう
鴨川の枝垂桜も咲きはじめました。
今日の鴨川ランニングは、
雲一つない青空、からだの中からすがすがしさを感じる風、
とても気持ちのよいものでした。
先週は幼稚園の卒園式、今週は小学校の卒業式などなど。
卒業というハレの日をあちらこちらで迎えている時期ですね。
そういう日が、天気も晴れていると、なおいっそう気持ちよく迎えられます。
気持ちよく迎えられる、という気持ちは、
実際にからだにとっても気持ちがよいということと連動します。
気持ちは晴れやかでいたいのに、肩がつらい、腰がつらい、頭が痛いとなっては、
心からハレの日を迎えられません。
さて、ハレ着として着物を着る機会も多いです。
この着物。くるしい、という経験はないでしょうか?
日常にはないくらお腹回りを締めるので、当然と思うかもしれませんが、
しかし、昔、着物が日常着であった頃は、むしろそれで日常生活を送っていたわけです。
日常生活を送ることができるくらい、本来は、動きやすいはずの着物。
なぜ、苦しいと感じるのでしょうか?
本来、着物は動きやすい
高温多湿の日本では、
袖や裾がつまっている洋服は、実は案外過ごしにくかったりします。
その反面、着物は日本の気候に適するように、暑くなれば、
袖や裾を簡単にまくったり、たすき掛けができるようになっています。
実際、首も、手首も足首も大きく開いていて動きを制限しません。
また、下半身は、長い巻きスカートのような構造になっているので、
実はとっても動きやすいのです。
ハラがぬけると帯は苦しい
ハラ、つまりお腹回りと考えるとよいです。
まさに帯で締めるあたりですね。
着物を常用していた時代は、
今よりも、歩くこと、荷物を運ぶことなど、
日常生活でのからだへの負荷がずっと大きかったと予想されます。
例えば、下のような写真をご覧いただいたことはあるでしょうか?
現代人が、これだけの俵を持てって言われたら、
たぶん、
いやいやいやいや、むりむりむりむりむりむりむり!!!!!!!!
ってなります。少なくとも、私は身の危険を感じます。
見た目、普通のおばちゃんたち。
ボディビルダーでもなければ、お相撲さんでもない。
ウエイトリフティングの選手なわけもない、ですよね。
ごく普通のおばちゃんたちが、これだけの荷物を持てたのは、
きっと、
からだのバランスのとりかたを知っていたのと、
ハラがしっかりとしていたからでしょう。
筋力だけではなく、腹圧のかけかたを知っていたから。
しかし、ハラの抜けきった現代人が同じことをやろうと思ったら、
ケガします。
ハラのぬけた状態で、
着物の帯を締めたら、さてどうなるでしょうか?
きっと、
即内臓に負担がかかり、吐きそうになったり、呼吸が苦しくなったり、
一刻も早く着物を脱ぎたくなるに違いありません。
着物を美しく着こなすためにできること
着る前にぜひ、呼吸でハラを満たしてください。
ハラがぬけた状態で着物を着ると、
気が付いたら、おばあちゃんみたいな姿勢になってしまいます。
それではとても美しい着物姿とはいいがたいです。
心地よく、美しく着物をきるために、ぜひ、呼吸を忘れないでください。
【ハラ(丹田)を満たす呼吸方法】
①脱力して全部吐く、ところからスタート。吐き切る。
②あぐらで座る。
③ひじは脇につける。両手はヨガのように手のひら上で膝の上にのせる。
④もう一度、しっかりとはいたら、鼻から息を吸う。
⑤4秒とめる。
⑥吸う息の倍の時間をかけて、口からゆっくりと吐き出す。口から糸を吐き出すように細く長く。
まとめ
現代で俵を5つも六つも持つ必要がなくなったとはいえ、
同じからだをもつ人間として、
過去の人のからだの使い方から学ぶことは大いに役にたちます。
ハラ(丹田)もその一つ。
日本人が行ってきたからだの使い方を知るようになると、
感覚が変わってきます。世界や自分の身の回りの環境に敏感になります。
自分のからだが軽やかで、心地よい状態を知るようになると、
からだが元気であることや、生きていることへの感謝が
よりいっそう溢れてきます。
感謝が湧き出る瞬間というのは、やはり、
からだから、だと思うのです。
からだが生き生きとしている瞬間とハレの瞬間であることが
一致していること。
世界中の卒業生、そして、これから新生活を迎える新入生、社会人の方々、
新しいことを始めようと踏み出すすべての方へ。
心より、おめでとうございます。
ハレの日を思う存分感じるからだに感謝して。
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